2015年08月31日

ウィズセレクションストーリーズ 〜 ミラノ・サリス編 ミラノ発見!

←冒険へ行こう!

深い森をかき分け、チッタは奥へ奥へと進んで
いった。

すると奥には、パーキー・パーキーの上で微睡む
ミラノの姿があった。

[チッタ]
見つけたー!

[ミラノ]
あ! チッタ。

[チッタ]
ミラノっ! なんで逃げたの!

[ミラノ]
ち、違うよ。逃げたとかじゃなくて、体調が悪
かったから寝ていただけだよ。

[チッタ]
ウソばっかり! じゃあどうして鏡の中に入って
るのよ!

[チッタ]
さっさとパーキーから離れなさい!

[ミラノ]
いーやー! おかーさーん!

[チッタ]
早くしないと日が暮れちゃうでしょ。

駄々をこねて、パーキーにしがみついているばか
りだったミラノは急に抵抗するのをやめる。

そして真剣な顔でチッタを見返した。

[チッタ]
な、なによ。

[ミラノ]
チッタ。違うよ。

[チッタ]
な、何が違うのよ。

[ミラノ]
冒険ならすぐ側にあるよ。胸に手を当ててみて。

[チッタ]
こう……?

突然調子を変えたミラノに気圧され、チッタは言
う通りにする。

[ミラノ]
ほら……。あるでしょ、冒険が。

[ミラノ]
あなたの胸の中に。

[チッタ]
……そういうのいらないから。

[ミラノ]
だめか……。

[チッタ]
ほら、外に出るよ。

[ミラノ]
ま、待って……! 本当に待って。

[チッタ]
何よ。

[ミラノ]
私がこの中ならなんでも思い通りに作れるのは
知ってるでしょ?

[ミラノ]
だから、チッタのためにステキなものを作った
よ。キラキラ光ってきれいだよ。

[チッタ]
な、なに。もしかして魔法の石とか魔力の宿る金
属とか……冒険に付き物のああいうやつ?

[ミラノ]
ううん……。

ミラノはやさしく包まれた両手をチッタの目の前
に差し出す。

そして、ゆっくりとその手を開いた。

[ミラノ]
マジカルカナブン。

[チッタ]
なめてんのかー!

[ミラノ]
助けてー!

と、こんな調子でミラノの逃亡が終わる頃、たい
てい外は夕暮れを迎え、冒険の行方は……。

また明日ということになっているのだ。

ただ、ふたりともまったく気づいていないが、鏡
の中の不思議な世界の冒険なら──

毎日のように続けているのだということに。

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posted by yamanuko at 23:48| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウィズセレクションストーリーズ 〜 ミラノ・サリス編 冒険へ行こう!

ミラノ・サリス.jpg チッタ・レニーノ.jpg

チッタ・レニーノは冒険家に憧れる少女である。

だが、今日も彼女は冒険に出ることはなかった。

チッタ.jpg

[チッタ]
ミラノ! ミーラーノ! 一緒に冒険行くって約
束したでしょ!

[チッタ]
出てきなさーい!

邸宅のエントランスから耳慣れた声が聞こえる。

ミラノ.jpg

[???]
もぉう。また来た。

その声から逃げるように、ミラノ・サリスはぬい
ぐるみのパーキー・パーキーに顔を埋めた。

毎日のようにミラノを誘いに来るチッタ。毎日そ
の誘いから逃げるミラノ。

そんな攻防がここ3ヶ月あまり続いていた。

[チッタ]
入るよー、ミラノ。というかもう入ったよー、ミ
ラノ。

しかし、3ヶ月も続いたのにも理由はある。

[ミラノ]
ふう。そろそろ逃げるか。

ミラノ・サリスには特別な能力があった。彼女は
鏡の中に潜ることができるのだ。

それも自分の思い通りの世界を映す鏡の中に、で
ある。

[ミラノ]
今日はどうしようかな……? まあ、なんでもい
いや。

そして相棒兼寝床のパーキー・パーキーを抱えた
彼女は鏡の中へと消えてゆく。

[チッタ]
しまった! 気づかれたか。

チッタがミラノの部屋に着いた時、すでにミラノ
の姿はなかった。

とはいえ、チッタもこれには慣れっこである。

チッタは冒険道具がパンパンにつまった鞄を鏡の
中に放り込むと、自らも中へと飛び込んだ。

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posted by yamanuko at 23:47| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウィズセレクションストーリーズ 〜 リセル・ルヘリア編 暗き道を行く

←この道をゆけば……

帰ってくる時も黒き地との狭間では再び衣を全て
はぎ取られ、完全な無となる。

一枚一枚が冷たき手によって、彼女の肌の上に重
ねられる。

ようやく俗な臭いが鼻腔をくすぐった時、いつも
彼女は帰ってきたことを実感する。

闇の中から再び彼女は現れる。

[リセル]
待たせたな。

その声を聞いた青年は怒りのこもった目を彼女に
向けた。

[ディール]
話が違うぞ! 妹は! 妹はどうした。

怒りなど彼女にとって何も恐れることはない。涼
しい顔で彼女は返した。

[リセル]
約束通りだ。

その次の言葉を彼女は躊躇することなく、青年に
告げた。

[リセル]
お前の妹が戻ってくることを拒否した。それだけ
だ。

[ディール]
なんだと……。

[リセル]
帰ってきたいと思わない者を連れ帰る訳にはいか
んからな。

[ディール]
やはり、そうなのか……。

青年のやつれた顔に流し目を送りつつリセルは踵
を返した。

そのままその場を去るつもりだった。

なんの気まぐれか、ふと彼女はいつもならまとわ
ぬ衣を一枚、肌に重ねた。

[リセル]
ただ、お前を赦すと言っていた。

[リセル]
いつか、会えるかもしれんな。

青年はその言葉に慌てて追いすがる。

[ディール]
どうすればいい! どうすれば、妹を蘇らせるこ
とが出来る?

震える手が彼女の衣を強く握りしめていた。

[ディール]
この手で……。

[リセル]
外法だぞ。

[ディール]
それは……どこから見た外だ。

[リセル]
フッ。 いいだろう。

そして二人はひとつ歩を進めた。その道がどこへ
向かっているかは……。

どこから見たかによる話。

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posted by yamanuko at 23:44| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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