2015年11月28日

甘き祝福 エトワール・ブリュネ

ここ和ノ国でも、異国の地から伝わってきた『くりすます』の風習が徐々に浸透しつつある。
そんな中、神童エトワールは、新しい洋菓子作りに奮闘していた。
分厚いレシピ本を見るその目は、まるでいっぱしの菓子職人のようである。
「せっかくのクリスマスだし、なにか新しいお菓子に挑戦してみようかな?」
紋章術を使い魔法陣を出したエトワールは、食材を次々とこともなげに出現させていく。

するとそこにキンキンとした甲高い声が響いてきた。
「一人でこっそり何してるの?」
声の主は、腐れ縁とも呼べるライバルのメリエルである。
「宮廷パーティーに誘ってやろうと思って来てみたら、またお菓子作り? 懲りないわねえ」
そしてメリエルは魔法陣から飛び出す食材を見つめながら怪訝そうに首を傾げた。
「なんで最初から完成品出さないの?」
その言葉にエトワールの動きがピタリと止まってしまう。
「これは新しい挑戦なの。誰も食べたことのないお菓子を作るっていうさ」
レシピ本に書かれたお菓子をアレンジしていたエトワールは、焼きあがったスポンジを窯から取り出してみる。
「それじゃただの『かすていら』じゃない?」
「そんなの分かってるよ」
エトワールの挑戦は行き詰っていた。そんな苛立ちを紛らわすように、魔法陣から出現させた食材を吟味し始める。
「生乳かぁ? なんか使えそうだ……」
「なんだか適当になってきてない?」
それはお菓子好きの勘であった。生乳に黒砂糖を入れ、素早くかき混ぜる。するとふんわりと泡立ち、とても美味しそうではないか。

いつの間にか二人はライバルの垣根を越えて、お菓子作りに夢中になっていた。
気づくと辺りはすっかり暗くなり、吐く息も白い。
最後に、『かすていらにふんわり泡立った白いものを塗り付け、イチゴを盛り付けた。
「かんせーい!」
エトワールは出来上がった円筒形のお菓子を切り分けた。そして甘い匂いをゆっくりと吸い込んだあと、ふわふわのお菓子を一口頬張ってみた。
すると──
「なんかへんな触感だね?」
「でもすごく美味しい! 焼き菓子じゃないみたい!」
それを聞いたエトワールの頭の中に、ある言葉が降りてくる。
「じゃあこれを【生菓子】って名付けることにしよう!」
「いいじゃない! 生菓子かぁ……ツバキにもお裾分けに行く?」
「もちろん!」
エトワールは満足気に胸を張りながら、大好きな抹茶を啜った。
いつの間にか空には牡丹雪が舞い、ホワイトクリスマスとなっていた。

ちなみに、この生菓子が、のちに『クリスマスケーキ』として聖夜の定番お菓子となったことを付け加えておこう。

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ル・ショコラ エトワール・ブリュネ

「だから『おにぎり』じゃないって。」

  *  *  *

──和ノ国

「いよいよ僕の時代がやってきたね」

そう言って腕まくりをした「エトワール」

異国の地から"宣術師"として"和ノ国"に来た「エトワール」は洋菓子作りが大の得意!

いつも、お世話になっている和ノ国の人々に、得意の紋章術を使い、チョコを生成するのであった。

「…ツバキには多めに作ってあげよ。…メリエルにはいいや」

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posted by yamanuko at 20:53| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神童紋章師 エトワール・ブリュネ

「僕をおにぎりって呼ばないで。」
「僕……食べ物じゃ、ないのに」

  *  *  *

おやつには甘じょっぱい団子を2串、抹茶を1杯。
近頃のブームは、宮廷の女剣士に教えてもらった「ワカ」なる言葉遊び──(※)

異界「和ノ国」に現れた新星、紋章術を自在に操るエトワール。
幼くして開花した紋章術の才能は天下随一、奇妙な格好に一度は面食らうものの、
人懐っこい性格と懸命な姿に誰もが心を惹かれるといいます。

(※)「宮廷の女剣士」は、ツバキ・リンドウです

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posted by yamanuko at 20:52| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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