2016年07月21日

EVANGELION Defenders

幻想と歪曲の槍によって造り出された異形な幻想
は──

人の潜在意識に潜む恐怖や不安を実在化する
と伝えられている。

[ウィズ]
アスカたちがいないと静かにゃ。

アスカたちが、偵察任務に出発している間、
君とウィズは、艦長であるミサトの許可を得て、
ブリッジの見学をしていた。

[ウィズ]
これはなんにゃ?

[北上]
ちょっと! 勝手に触らないでよ!
ここに、変な動物入れたの誰!?

[ウィズ]
動物とは失敬にゃ!
せめて、可愛い黒猫ちゃんと呼ぶにゃ!

[北上]
可愛い〜? 汚い黒猫の間違いじゃないの〜?

[ウィズ]
にゃにゃ!? こんな屈辱は初めてにゃ!
キミも、なにか言い返すにゃ!

そりゃあ最近のウィズは、
お風呂に入ってないからね、
と君は相変わらずのんきだった。

[ウィズ]
キミまでそんなこというのかにゃ!?
猫は、お風呂に入らなくても清潔にゃ!

[サクラ]
黒猫さん、お仕事の邪魔をしちゃダメですよ!

[ウィズ]
ごめんにゃ。でも、邪魔をしたつもりはないにゃ。
珍しいものが沢山あったからつい……。

[サクラ]
私だって、仕事中に不用意に近付いたら
叱られるんです。お願いですから
邪魔にならないところにいてください。

[ウィズ]
わかったにゃ……。

君は、ウィズを抱きかかえて引き下がる。

その時、警報が艦内に響き渡った。

[青葉]
前方に高エネルギー反応!

[日向]
パターン青!?
まさか……どうしてこんなところに使徒が?

[ミサト]
おそらく、本物の使徒じゃないわ。
でも……面倒ね。

エヴァ第13号機2.jpg

前方に立ち塞がる"異形"の存在。

それは、明らかにこちらの世界にいる"魔物"とは、
一線を画した形状をしている。

彼らは、ヴンダーの前方に出現し、
行く手を遮っていた。

あれは、本当に"使徒"なのか?

それとも君たちは、
悪夢を見ているのだろうか……?

[ミサト]
どちらでもいいわ。
私たちの前に立ち塞がるのなら、
力尽くで突破するのみ。

[ウィズ]
無茶にゃ! 今は、アスカもマリもいないにゃ!

エヴァンゲリオン改2号機と8号機は、
いまどの辺りにいるのだろうか。

ヴンダーの危機を察知して、
戻ってきてくれるといいのだが……。

[ミサト]
すぐに、ふたりに帰還するように伝えて。
それまでは、なんとしても艦を守らなければ……。

[ウィズ]
キミ、ここは私たちの出番にゃ!
私たちが、単なる邪魔者じゃないところを
見せてやるにゃ!

わかった、と君はうなずいて甲板に向かった。

(初級クリア後)

使徒の形を模した幻想との戦いは、熾烈を極めた。

ヴンダーは度重なる攻撃を受けて、
完全に制御不能に陥っている。

[北上]
これ、結構まずいかも……。

[日向]
嘘だろ……。
こんなところで、終わっちゃうのかよ?

[青葉]
諦めが早いぞ。きっと、アスカたちは戻ってくる。

しかし、今の状況では、
その淡い期待も虚しく響く。

クエス=アリアス全土を覆う幻想は、
果てしなく広がり、最早手が付けられない。

[ミサト]
くっ。ここまでなの……?

弱気が、ミサトの心に忍び寄る。

[北上]
あーもう! こんなことなら、
もっとやりたいことやっとけばよかった!

[青葉]
そう簡単に諦めるなよ。
俺は、こんな訳の分からん土地で死ぬのは
ごめんだ。

[北上]
でもさ〜。

[ミサト]
待って。なにか聞こえる……。

ミサトたちは、一斉に耳を澄ませた。

駆け寄ってくる大勢の人の気配……。

[青葉]
甲板にいる、黒猫からの通信です!

[ミサト]
状況は?

[ウィズ]
今、かなりピンチで……相当、まずい状況にゃ。

[ウィズ]
でも、私たちの危機を見かねて、
ギルドの魔道士たちが、
助けに来てくれたにゃ!

[ウィズ]
駆けつけてくれたみんなのお陰で、
なんとか態勢を立て直せたにゃ!

ウィズの報告を聞いて、
ヴンダーの乗組員の間に安堵の息が漏れる。

[ウィズ]
アスカたちが戻ってくるまで、
なんとか持ちこたえてみせるにゃ!

[ミサト]
お願いするわ。

[北上]
さっきは、動物なんて言ってごめん。
あんたって、勇気のある黒猫だったのね?

[ウィズ]
にゃははっ。
わかってくれたなら、それでいいにゃ!

君たちの元に続々と参集する勇気ある魔道士たち。

彼らの協力を得て、
君は再び幻想と歪曲の槍が生み出した
"悪夢"に立ち向かう──。

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2016年07月17日

幻想と歪曲の槍 〜 10.全て世は事も無し

←09.拾った欠片

(クリア前メッセージ)
アスカ、今、助ける……!

10-1 助けを求める声

(道中)
アスカとマリ、今行くにゃ!

10-2 死の息遣い

(道中)
ずいぶん奥まで潜り込んだにゃ……。

10-3 幻想は歪曲を生む

(道中)
もしかして、もう戻れないかもしれないにゃ。

10-4 姫と騎士

上界と完全に遮断された地底空洞。

覚醒したMark.jpg

迫り来る気配。
巨大に膨らむ負のオーラ。

その正体は、クエス=アリアスに沈殿していた
悪意を集約させたもの。

負をまといしMark.09は、
その姿を漆黒に変えて、"歪曲に満ちた幻想"を
世に解き放とうとしている。

[マリ]
あー、こりゃ、まずいかなー。

マリの操縦する8号機は、
掩体となる地形の隆起に身を隠しながら、
なんとか迫り来る魔物たちの撃退を続けていた。

[マリ]
弾がもう残り少ない。機体の損傷も激しい……。
ここらが潮時かなぁ。

8号機は、背中で改2号機をかばっている。

アスカが搭乗する赤いエヴァは、
さらに損傷が激しく、
最早満足に戦える状態ではなかった。

[アスカ]
諦めるのは、まだ早いっての!
帰るなら、コネメガネひとりで帰ったら!?

[マリ]
そんなこと言わないでよ。
姫をお守りするのは、騎士の努めだよっと。

[アスカ]
ふん、なにが騎士よ。
あんたが、私の相棒として
役に立ったことなんて一度もないわよ。

[マリ]
そうはっきりと言われると、傷つくニャー。
古い付き合いじゃないの〜?

覚醒したMark.09が、
姿を消した。

幻想と歪曲の槍の力を得て、その動きは変幻自在。

アスカとマリを、翻弄し続けていた。

[アスカ]
ここまで翻弄されるなんて。
……エヴァの動きじゃない。

[マリ]
いよいよ、やばいかも……。
でも、逃げないよ。
こうなったら、最後の手段──。

エントリープラグの中で、
マリは腰を浮かせて背中を丸める。

獲物を前に狩猟本能を剥き出しにする
獣めいた態勢。

しかし、その目論見も──。

[マリ]
そんなぁ!?
変身中に攻撃してくるのは、ご法度でしょうが!

覚醒したMark.09は、
改2号機に狙いを付ける。

アスカは、操縦桿を握るが、機体の反応は鈍い。

ここまでかと、絶望の念慮が脳裏を過ぎる。

[アスカ]
くそうぅ……。なんとかしなさいよ、バカシンジ!

轟音と共に、
青紫色の機体が、ふたりの視界をかすめる。

その機体を見て、アスカは自分の目を疑った。

[アスカ]
……嘘でしょ?

[シンジ]
アスカ! 助けにきたよ……っ!
今のうちに逃げて!

第13号機が、
覚醒したMark.09に攻撃を加える。

凄まじい悲鳴を上げて、
Mark.09は背後に仰け反った。

[カヲル]
シンジ君! ばらばらに攻撃してちゃダメだ!
タイミングを合わせよう!

[シンジ]
う、うん……!

[カヲル]
タイミングを合わせて1……2……ハイ。
でああああああああっ!

第13号機が攻撃を加え、
覚醒したMark.09は、
さらに背後に飛び下がった。

まだ動きにぎこちなさはあるが、
シンジとカヲルの呼吸が徐々に合っていく。

そのたびにエヴァの動作にキレが増していく。

覚醒したMark.09は、
槍をつかんだまま空洞の奥へと消えていく。

[カヲル]
どうする? 見逃す?

[シンジ]
それはない。……でも、ちょっと待って。

[シンジ]
ごめん、アスカ。遅くなって。

[アスカ]
お……遅いのよ!
今更来て、何様のつもりよ!?

[シンジ]
ごめん……。

[シンジ]
でも、助けたいんだ。
アスカも、この世界も、綾波も……。

[アスカ]
……私はついでかっちゅーの。

[シンジ]
アスカは、ここで待ってて。
全てを終わらせてくるよ。

[ウィズ]
行くにゃ。

ウィズと君は、
幻想と歪曲の槍を追って空洞の最深部へと進む。

満身創痍のアスカとマリは
その背中を見送るしかなかった。

[マリ]
よかったね姫、本物の騎士様が駆けつけてくれて。

[アスカ]
……あんな頼りない騎士。
どこの世界探したっていないわよ。
シンジの癖に……。

[マリ]
え……姫、ちょっぴり泣いてる?

[アスカ]
あんなガキに助けられた自分が情けなくて
泣いてるのよ。

(道中)
もう言葉は不要にゃ! 戦うだけにゃ!

[レイ]
幻想と歪曲の槍は、
太古の魔道士の手によって作られたもの。

[レイ]
この槍そのものに悪意はない。

[レイ]
この槍があれば、
本来辛く苦しい世界を
暖かな幻想で覆うことができる。

[レイ]
そう願って、槍を造った魔道士は、
この槍に魔力を込めたの……。

[レイ]
しかし、それによって歪められた現実は、
間違いなく上書きされて消えてしまう。

[レイ]
それを許せない人々は、
そもそもこの世界が悪い世界だとは
思ってない……。

[レイ]
自分たちにとって、居心地が良くて……。
それなりに満足して暮らしていけている……。

[レイ]
他人を踏み台にしてね……。

[レイ]
でも、それができない人は?
生きてるだけで苦しい人の願いは、
誰が聞いてくれるの?

[レイ]
苦しいだけの現実と、たとえ嘘でも、
みんなが温かく暮らしていける幻想。

[レイ]
あなたは、どちらを選びたいの?

[レイ]
話は終わり。

[レイ]
選択するのは、あなた自身よ……。

[シンジ]
それでも僕は……。

[シンジ]
僕は……。

[シンジ]
偽りじゃない本当の綾波に会いたい。

[シンジ]
誰がなんと言おうと、
僕はこの手で綾波を助けたんだ!

[シンジ]
僕は、また綾波に会えると信じてる……。
それまでは……。
逃げない。

[シンジ]
だから、幻想の君とはお別れだ。

[レイ]
そう……。わかったわ……。

(クリア後)

第13号機の攻撃を受けてMark.09が
怯んだ隙に──。

君の精霊が放った魔法が、直撃する。

幻想と歪曲の槍が、
Mark.09の元から離れた。

[ウィズ]
絶対に逃がしちゃだめにゃ!

[カヲル]
分かってるさ!

[シンジ]
カヲル君!

シンジは、合図を送る。

カヲルは、シンジの方を振り向くことなく、
呼吸を合わせた。

飛び上がった第13号機。

その重たい踵が、幻想と歪曲の槍を捉える──。

幻想を作り出していた全ての根源は、
けたたましい破壊音を奏でながら、
無数の破片となり散らばった。

[ウィズ]
今にゃ!

君は、粉々に砕け散った破片を消滅させるべく、
カードに魔力を込めた。

幻想と歪曲の槍は、
跡形もなくこの世界から消え去る。

[カヲル]
終わった?

[シンジ]
みたいだね……。

[ウィズ]
これでおしまいにゃ。
シンジ、カヲル。ありがとうにゃ。

[カヲル]
どういたしまして。

[シンジ]
あれ……カヲル君? 周りの景色が……。

  *  *  *

[サクラ]
世界が、戻っていく……。
アスカさんたちが、
勝ったんでしょうか!?

[リツコ]
これで、ようやく元の世界に戻れるわね。

[ミサト]
そうね。

[リツコ]
神、そらに知ろしめす。
全て世は事も無しか……。

[ミサト]
なぜ、今更そんな詩を?

[リツコ]
なんとなく。
今のこの状況にあってると思ったの。

[ミサト]
……私の前で、二度とその詩は詠まないで。

[リツコ]
悪かったわね。

  *  *  *

[シンジ]
クエス=アリアスが、
こんな美しい世界だったなんて……。

[ウィズ]
シンジたちが守ってくれた世界にゃ。

[シンジ]
僕だけの力じゃないよ……。
でも、なんだか、信じられないな……。

[ウィズ]
クエス=アリアスは、もう安心にゃ。
これもシンジのお陰にゃ。
胸張っていいにゃ!

[シンジ]
そう言って貰えると、少し……嬉しいかも。

[カヲル]
シンジ君、エヴァに乗るのは、
悪いことばかりじゃないだろ?

幻想は、光の粒子となって飛散していく。

地下空洞も、Mark.09も……。

アヤナミレイの姿をした少女も、
そしてカヲルも……。

次々に、幻想から解放される。

[シンジ]
どうやら、次は僕の番みたいだ。

シンジの足下に、目映く輝く光が溢れ出す。

[シンジ]
ウィズさん、魔法使いさん。
これでお別れだね……。

[シンジ]
でも、人の役に立って感謝されるのって、
やっぱり嬉しいもんだね。

そう言って微笑むシンジの表情は、
まだ子どもらしく、あどけない。

[ウィズ]
いつかまた来て欲しいにゃ。
今度は普通に遊びに来るにゃ。

[シンジ]
そうだね……。機会があれば、また……。

シンジも、
また幻想としての役目から解放され──
そして消えた。

後に残ったのは、クエス=アリアス本来の世界。

[ウィズ]
行っちゃったにゃ……。

君は、共に戦ってくれた少年たちに、
心の中で感謝を述べた。

彼らは、あるべき場所へと戻る。

彼らの将来に、なにが待ち受けているのかは、
誰にもわからない。

今回の事件で出会った人たち全員に、
明るい未来が待ち受けていることを
願うばかりだった。

  *  *  *

クエス=アリアスの大異変から、数日後。

世界は、まるで何事もなかったかのように、
平穏を取り戻していた。

[ウィズ]
それにしても、あの出来事はなんだったにゃ?

今思い出しても、不思議な事の連続だった。

それだけに君とウィズも、
あれは夢だったんじゃないかと、
まだ半信半疑のままだった。

[ウィズ]
とにかく、バロンからの依頼を達成したのだから、
報酬を貰いに行くにゃ!

[ウィズ]
あれだけの大事件を解決したのだから、
きっと報酬もたんまりにゃ。
にゃははっ。

[バロン]
なに? クエス=アリアス全土が
赤く染まった原因を突き止め、
事件を解決した?

[バロン]
だから報酬をくれだと?

[バロン]
なにを言ってる。そんな依頼をした覚えはないぞ?

[ウィズ]
そんなわけないにゃ!

君は、バロンに抗議する。

だけど、何度訊いてもバロンは、
そんな依頼をした覚えがないの一点張り。

それどころか、大地が赤く染まったことも、
覚えていないという。

他のギルドの魔道士に聞いても、
「そんなことなかった」と返されるばかりだった。

[ウィズ]
嘘にゃ。あの出来事は、夢だったのかにゃ?

そう思いたくなるけど……あれは、夢じゃない。

きっと、幻想と歪曲の槍が消滅したことで、
彼らの記憶そのものから、
幻想も消えてしまったのだろう。

[ウィズ]
きっとそうにゃ!

[ウィズ]
しょうがない。今日は帰るにゃ。

とんだくたびれ損だった。

[ウィズ]
でも、この数日、いろいろ大変だったけど、
なんだかんだで楽しかったにゃ。

[ウィズ]
シンジやカヲルとの思い出は、
私とキミの胸の中だけにしまっておくにゃ。

(クリア後メッセージ)
僕にも出来た……。
この世界を救うことが……。

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幻想と歪曲の槍 〜 09.拾った欠片

←08.逃れられない夢

(クリア前メッセージ)
最後まで気を抜かないことね。
第1種戦闘配置。

09-1 救援要請

[リツコ]
艦長のご命令通り、
磁場、重力、大気中の成分……
全ての分析が、終わりました。

[ミサト]
ご苦労様。

[リツコ]
艦長が、仰られていた通り、
分析するだけ無駄でした。

[サクラ]
それは、どういうことですか?

[リツコ]
こちら側の世界は、我々のいた世界とは、
なにもかも違いすぎるのよ。

[リツコ]
放射年代測定で、こちら側にある地上の物質を
測定してみましたが、現実ではありえない
滅茶苦茶な数値しか出なかったわ。

[サクラ]
つまり、こちら側って──。

[リツコ]
現実ではないということね。
私たちの常識では……。

[ウィズ]
でも、この世界で私たちは生きてるにゃ!

[サクラ]
まあまあ、黒猫さん。落ち着いてください。

[リツコ]
結論を出すのはまだ早いわ。
我々が測定できたのは、
赤く浸食された大地のみ。

[ウィズ]
じゃあ、まだ浸食されてない
元のクエス=アリアスならば──。

[リツコ]
違う結果が出るかもしれないわ。

[ミサト]
いま私たちがいるこの場所は、
現実と幻想の狭間にある……。

[ミサト]
そして、あの槍の狙いは、
こちらの世界を"幻想"で染め上げる
ことでしょうね。

ウィズは、はたと気付く。

もしかして、幻想と歪曲の槍は、
異界と異界を繋げていたのではない、と。

[ウィズ]
昔読んだ本に書いてあったにゃ……。
幻想に飲み込まれてしまった世界と人々のことが。

「七日七晩で、
全てが丸々変わってしまった世界があった」

「人々は、それを幻想だとは気付かなかったため、
喜んで世界の変化を受け入れた」

「やがてそれが定着し、人々の記憶から、
元の世界の記憶が失われてしまった」

[ウィズ]
単なるおとぎ話かと思っていたけど──。

[ウィズ]
もしかして、それと同じ事が
起きようとしているのかもしれないにゃ。

[サクラ]
そんな……。

[青葉]
艦長! 8号機から通信です!

[リツコ]
なにがあったの!?

[マリ]
こちら8号機! ただいま絶賛苦戦中!

[ウィズ]
マリの声にゃ!

あのマリが、はっきりと苦戦してる
と言うなんて……。

[マリ]
改2号機も脚部に損傷受けて、動けなくなってる!
せめて、姫だけでも回収できませんか?

[アスカ]
うるさいわよ、コネメガネ!
私はまだ戦えるっての!

声だけなので、状況ははっきりとわからない。

でも、言葉以上に苦戦しているのが伝わってきた。

[ウィズ]
こうしてる場合じゃないにゃ!

君とウィズは、慌てて隔離室にいる
カヲルとシンジの元を訪れた。

[ウィズ]
大変にゃ!

[シンジ]
……これは、綾波にあげた本だ。

てっきり、シンジは膝を抱えて落ち込んでいる
と思っていたが──。

[シンジ]
どうして、ここにあるんだろう?
夢の中で、拾った本のはずなのに……。

[カヲル]
シンジ君、君はずっとその本を持ってたよ。

[シンジ]
じゃあ……あれは、夢じゃなかったのか……?

[シンジ]
…………。

[カヲル]
シンジ君?

[ウィズ]
なんのことか知らないけど、アスカたちが……
いや、このままじゃ、
みんな大変なことになるにゃ!

幻想がこのまま世界を覆い続けたら、
この世界は消えて無くなるかもしれない──。

大地の浸食を防ぐには戦うしかないのだが、
地下空洞に向かったアスカとマリに
危機が迫っている。

助けに行けるのは、
第13号機を操縦できるシンジたちだけ。

[シンジ]
…………。

[ウィズ]
シンジが、助けてくれなくても私たちは
行くにゃ。でも、虫のいい話かもしれないけど、
手を貸してくれたら嬉しいにゃ……。

[カヲル]
……どうするシンジ君?

[シンジ]
…………。

シンジは、持っている古い本を強く握りしめた。

[シンジ]
この本が、僕の手にある……。
だから、僕に向かって微笑んでくれた綾波も、
もしかして、夢じゃなかったのかもしれない……。

[シンジ]
もう一度、確かめたい。
綾波のことも……。
僕が本物の僕なのかも……。

[ウィズ]
じゃあ──。

シンジはなにも言わなかった。

ただ、君たちの方を見ながら、うなずいてくれた。

  *  *  *

[リツコ]
第13号機が発進の許可を求めてるわ。
このまま行かせていいのかしら?

[北上]
味方じゃないんだから、わざわざ許可なんか
取らなくてもいいのに〜。

[青葉]
艦長、どう致します?

ミサトは、いつものように前方を見つめている。

しばらくの沈黙があった後──。

[ミサト]
ヴンダー高度を下げて前進。
地表に沿って超低空飛行のまま、
本艦を地下空洞に突入させる。

[青葉]
ええっ!? 正気ですか!?

[リツコ]
無茶よ! そんなことしたら、この艦は──。

[ミサト]
無茶は承知。
行けるところまででいいの。
このヴンダーで、第13号機を運ぶのよ。

[リツコ]
ミサト……。本当にいいの?

[ミサト]
全ては、元の世界に戻ってから……。

ミサトは、リツコだけに聞こえるような声で
囁いた。

その言葉で、リツコは察する。

[ミサト]
私たちは、この苦境を打破するための
最善策を採るしかない。

[ミサト]
となると、目標はただひとつ!
地下空洞に降りたMark.09と
幻想と歪曲の槍の破壊よ!

[ミサト]
そのためにも、
今からアスカたちを救援に行くわよ!
わかったわね!?

[北上]
りょ、了解!

[リツコ]
まったく……。変わらないわね……。

[ミサト]
艦首下げ! 主機、全力運転!

[北上]
無茶ですよ〜。地上に激突します!

[ミサト]
…………。

[北上]
分かったもー、やりますよ〜。

闇の底にも似た地下空洞で待ち受ける
最後の敵。

幻想と歪曲の槍を手にするのは──?

今ヴンダー〈奇跡の船〉が、
両翼を広げて大地を疾駆する。

赤い血しぶきのような砂塵を巻き上げて──。

(道中)
ミサトは、無茶をする艦長にゃ。

09-2 謎の地下空洞

(道中)
にゃ!? なんとも……恐ろしいところにゃ。

09-3 打ち棄てられた骨

(道中)
白骨で埋め尽くされてるにゃ!

09-4 光の届かぬ場所

(道中)
怖いにゃ……キミ、離れるんじゃないにゃ!

(クリア後)

地下空洞最下層に突入したヴンダーと乗務員。

しかし、アスカたちがいる地点に辿り着く前に、
待ち受ける魔物たちに行く手を阻まれた。

[日向]
艦長! これ以上は──!

[リツコ]
くっ……。どうやら、ここまでが限界のようね?

ここに留まっていても、敵の的になるだけだ。

第13号機をここに残して、
艦はこの場から離脱する他ない。

[ミサト]
第13号機は?

[シンジ]
いつでも行けます!

修復を終えた第13号機。

シンジとカヲルには、
既に乗り込む準備は整っていた。

[リツコ]
ごめんなさい。あなたたちを運べるのは、
どうやらここまでのようです。

[カヲル]
十分です。

[リツコ]
あなたに、艦長から一言あるそうよ。

[シンジ]
僕にですか?

[ミサト]
…………。

[シンジ]
…………。

[ウィズ]
(なんで、なにも言わないにゃ……?)

[ミサト]
…………。

[シンジ]
…………。

[ウィズ]
(沈黙に耐えられないにゃ!)

[ミサト]
ここはどことも繋がりのない空間。
だから、今は、多くを語らないわ。

[ミサト]
だから貴方には、ひとつだけ……。

[ミサト]
アスカとマリをお願い。

[シンジ]
……はい!

それだけを言うと、
ミサトは返事を待たずに艦の中に戻っていく。

その背中をシンジは、ずっと見送っていた。

[シンジ]
行こうカヲル君。僕たちには帰る場所があるけど、
ウィズさんたちには、ここが故郷だ……。

[シンジ]
力を貸してくれる?

[カヲル]
当然だ。彼らを見捨てるのは、
後味が悪そうだ……。

[ウィズ]
そうにゃ。もし、私が死んだら。
『祟ってやるにゃ〜』

[シンジ]
ありがとう、カヲル君。

[カヲル]
それじゃあ、行こうか。

聳え立つ第13号機。

このエヴァは、果たしてクエス=アリアスを
救う伝承の巨人になるのか──。

それとも、幻想と歪曲の槍を持つ
破壊の巨人となるのか──。

ふたりの異界の少年は、
これより幻想に立ち向かう。

[シンジ&カヲル]
エヴァンゲリオン第13号機 起動!

(クリア後メッセージ)
ヴンダーに出来るのはここまで。
あとは、任せます。

10.全て世は事も無し→

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