2016年09月20日

空戦のドルキマスU 昏き英雄 〜 英雄の影

←封魔級:向かうべきは、ただ

クラリア艦が活路を開いてなお、
ディートリヒ軍の劣勢は続いていた。

ディートリヒに変わって指揮を執るローヴィの
もとには、次から次へと報告が飛んでくる。

とてもさばききれるものではなかった。
戦況を考慮し、対策を講じても、
すべてが後手に後手に回ってしまう。

今更ながらディートリヒの優秀さを
思い知らされる。

[ローヴィ]
(元帥閣下なら、どうするだろうか)

わからない。わかるはずもない。

その采配を見るためにこそ、
彼の傍にいたはずだったのに。

  *  *  *

[アルトゥール]
少将の件は残念だったな。

ローヴィ2.jpg

[ローヴィ]
父は軍人として、
ドルキマスのため身命を賭す覚悟でおりました。

[ローヴィ]
わたくしも、父の遺志を継ぎ、
国のために尽くすつもりです。
アルトゥール殿下。

[アルトゥール]
君がそう言ってくれて、嬉しく思う。
私も少将には世話になった身だからな。

[アルトゥール]
……ひとつ、頼みがあるのだが、
聞いてくれるだろうか。

[ローヴィ]
なんなりと。

[アルトゥール]
君をディートリヒ・ベルクの下に配属する。
あの男に近づき、真意を探ってほしい。

[ローヴィ]
ディートリヒ・ベルク……。

[ローヴィ]
過去のない男∞必勝を示す者=c…
味方にどれだけの被害が出ようとも、
必ず生きて帰ってくるという──

[アルトゥール]
そうだ。その噂に偽りはない。

[アルトゥール]
……少将が散った船にも、あの男が乗っていた。

[ローヴィ]
──!

[アルトゥール]
しかしなぜか¢Dを移って生き延びていた。
少将の船が敵援軍の集中砲火を浴びている隙に、
敵の目をかいくぐってな。

[ローヴィ]
ディートリヒ・ベルクが……
父を囮に使ったと……?

[アルトゥール]
確証はない。
そうであるかもしれない、というだけだ。

[アルトゥール]
だから、君に見極めてほしいのだ。
ディートリヒ・ベルク……あの男が、
ドルキマスに仇なす者なのかどうかを。

[アルトゥール]
無論、そうでないとわかれば、
そのまま彼の右腕として活躍してほしい。
疑惑はどうあれ、優秀な男には違いないのだ。

[アルトゥール]
君の素性はこちらで用意する。
さる貴族の子ということになるだろう。
家名を偽ることになるが……やってくれるか。

[ローヴィ]
…………。

[ローヴィ]
──御意に。

[ローヴィ]
(ディートリヒ・ベルク)

[ローヴィ]
(あなたは、本当に英雄なのですか。
それとも……)

[ローヴィ]
(私の父を殺した仇なのですか──?)

[ローヴィの父]
ローヴィ。我らには軍人の血が流れている。
国を守り、民を守る。
そのために命を尽くし、この身を捧げる者だ。

[ローヴィの父]
すべてはドルキマスのために。
おまえに流れる血は、その誇りでできている。

[ローヴィ]
だからな、ローヴィ。たとえこの父が戦場で
果てたとしても泣かないでおくれ。
ドルキマスのために死ぬなら、本望なのだ。

  *  *  *

ひとつだけ、確信の持てることがある。

[ローヴィ]
(まちがいない。父を殺したのはディートリヒだ。
あの男ならやる!
自分の目的のためなら、どんなことでも!)

[ローヴィ]
(でも──だとしたら、
あなたの目的はいったいなんなのですか?)

ドルキマスの実験を握りたいのなら、
ここで逃亡する理由などないはずだ。
そもそも王都を占領してしまえばよかった。

だが、ディートリヒは王を討つことにこだわった。
民意を確実に得るための
大義名分を欲したのかとも思ったが──

何か、違う理由があるように思えてならない。

それがなんなのかが、
ローヴィにはわからなかった。

[ローヴィ]
(わからない……)

悲鳴のように、思う。

[ローヴィ]
(あなたはいったいなんなのですか──
ディートリヒ・ベルク!)

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posted by yamanuko at 22:39| Comment(0) | イベントストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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